飼い犬の目を何気なくのぞいてみると、
なんだか白く濁っている気がする・・・
10歳以上の犬を飼ったことがある人なら、
そんな経験がおありかもしれません。
犬の目に違和感を感じたとき、
一番心配になるのは
’’白内障’’
だと思います。
白内障は目の水晶体が白く濁る病気で、
進行すると最悪の場合失明します。
愛犬の目に違和感を感じ、
もしかして白内障かも?
と心配している飼い主さんのために、
犬の白内障の見分け方を調べました。
初期症状や治療法・予防法についても
ご説明します。
犬の白内障!緑内障との違いや見分け方は?画像で解説
犬の白内障は
どのように見分けたらよいのでしょうか?
白内障以外の心配な目の病気である
’’緑内障’’
との違いや見分け方も気になりますよね。
白内障と緑内障は
どちらもよく耳する病名ですし、
とてもよく似た名前です。
しかしその原因も症状も全く違う
別の病気のため、注意が必要です。
原因:水晶体が白く濁る
症状:視力低下(失明)
目の白濁
●緑内障
原因:眼圧が高くなり、
視神経を圧迫する
症状:視力低下(失明)
眼球の突出
白内障と緑内障は見た目も全く違うので、
家庭でも簡単に見分けることができます。
こちらの画像2枚をご覧ください。
↑白内障(両目)
↓緑内障(左目)
見てお分かりのように、
白内障は目が白く濁るため
家庭でも早期に発見することができます。
しかし緑内障は、
見た目にはあまり変化がありません。
「やや左目が大きいかな・・・?」
という程度の変化のため、
初期での発見が難しい病気です。
- 目が白く濁ってきたら白内障かも
- 両目の大きさが違ってきたら緑内障かも
と覚えておきましょう。
白内障の初期症状は?
白内障は家庭でも早期に発見できる
と書きましたが、
白内障の初期には
どのような症状がでるのでしょうか?
●行動の変化
‐不安そうにする
‐物にぶつかりやすくなる
‐目が合わなくなる
‐表情が乏しくなる etc・・
一番わかりやすいのが、
’’目の白濁’’です。
白内障は10歳以上の犬に
多い病気ですので飼い主さんは
毎日犬の目をチェックしてあげてください。
また、まだ若い犬でも
若年性白内障や外傷性白内障を
発症することがあります。
月に1度くらいは、
目の色をチェックしてあげましょう。
治療は手術必須?点眼薬や内服薬では治らない?
白内障になってしまったら、
もう手術しか方法がないのでしょうか?
できれば点眼薬や内服薬で
治してあげたいですが、
残念ながらそれは難しいようです。
点眼薬
動物病院で白内障治療をする際、
よく使われる点眼薬は
- カリーユニ
- ライトクリーン
の2つです。
カリーユニは
人間用の白内障治療目薬で、
ライトクリーンはその動物用です。
成分はほぼ同じで、
ピレノキシンが配合されています。
カリーユニの方が安価なため、
カリーユニを使う獣医さんも多いです。
残念ながらどちらの点眼薬も
白内障を治す力はなく、
初期の白内障の進行を遅らせるのが
精いっぱいです。
犬の白内障に悩む
飼い主さんのブログを拝見していると、
海外の白内障用の目薬を
購入している方が多いようです。
カリーユニよりも効果があるようで、
中には白濁が治ったという子もいました。
評判がいいのは、
- D-Smile
- ドッグクララスティル
- CAN-C
の3つ。
この3つの成分はほぼ同じで、
Nアセチルカルノシンが配合されています。
Nアセチルカルノシンは
白内障を治す効果があるとして、
文献発表もされている今注目の成分です。
カリーユニなどに比べて高価ですが、
一度試してみてはいかがでしょうか?
CAN-Cは人間用の薬なので、
安全性も高く安心です。
内服薬
白内障の治療でも
内服薬が使用されることがあります。
しかし科学的に治療効果が
証明されている内服薬はなく、
「進行を遅らせる可能性がある」
程度のものです。
手術
やはり白内障の治療は
手術しかないのが現状のようです。
白内障の手術では、
濁った水晶体を取り除いて
人工水晶体を挿入します。
全身麻酔が必要なため
麻酔のリスクはありますが、
手術自体は簡単で安全なものです。
※全身麻酔のリスクについては
’’犬の全身麻酔は年齢制限がある?
後遺症の危険性とは?’’
をご覧ください。
白内障の手術の動画をご紹介します。
この動画の犬は無事白内障が治り、
よく見えるようになったそうです!
(所要時間:5分19秒)
予防にサプリは有効?
白内障予防のために、
サプリは有効なのでしょうか?
正直なところ、
サプリの正確な効果はよくわかりません。
サプリは科学的に予防効果が
証明されているわけではなく、
体質的に合わない子や
効果の出にくい子もいるからです。
’’サプリが有効な子もいるけれど、
効果がない場合もある’’
と理解した上で、
上手に活用するのが大切だと思います。
サプリと合わせて、
- 強い紫外線も避けて朝夕に散歩する
- 目のケガや糖尿病などの
白内障を引き起こす原因を予防する
といった日常生活での工夫も取り入れると、
より白内障のリスクを減らせます。
白内障予防のためのサプリは
数多く販売されています。
明治製菓のパナキュア®ルテインM、
DHCのぱっちり(愛犬用)、
などが有名です。
口コミを見てみると、
『目ヤニが治った』
『目がキラキラ輝いてきた』
など効果を実感している飼い主さんも多い
ようでした。
ローズヒップ粉末で
白内障が改善したという方も
おられました。
詳しくはこちらのブログ
’’『犬の白内障を治す方法』’’
をご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?
白内障は水晶体が白く濁り、
進行すると最悪の場合失明する病気です。
治療法には点眼薬・内服薬・手術の
3つがありますが、
点眼薬・内服薬で完治する例は少なく、
手術による治療が一般的です。
白内障は加齢によるものがほとんどで、
残念ながら完璧な予防はできません。
白内障予防に効果があるといわれる
サプリもたくさん販売されていますが、
効果のほどは犬によって違います。
強い紫外線を避け、
ケガや糖尿病に気を付けながら、
愛犬の目の色を日々チェックして
早期発見に努めるのが一番の予防です。